複数旋律音楽に対する演奏表情付けモデルの構築(演奏認識/合成,<特集>便利で身近な音楽情報処理)
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概要
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演奏表情付けシステムの音楽表現能力は近年おおいに向上してきたが,複数の旋律からなる楽曲の演奏表現についてはあまり考慮されていなかった.本論文では,ユーザの介在を前提とした演奏デザイン支援を行うための複数旋律の楽曲に対する基礎的な演奏表現モデルPop-E(Polyphrase Ensemble)を提案し,その実装例について述べる.Pop-Eでは,各旋律の演奏表現を実施するにあたり,まず,声部別に演奏ルールを適用する.この結果,複数の声部間で演奏に必要な占有時間が異なり,声部間で発音のタイミングを揃えたい時刻にもずれが生じてしまう.この対策として,グループ構造と演奏上のアテンションパートを手がかりにして必要に応じて同期させる処理手法を導入している.本モデルに基づいて生成した「幻想即興曲」は,NIME-Renconにおける聴き比べコンテストにおいて第1位を受賞した.3人のピアニストの演奏を対象としたモデルの再構築実験では,音量よりも音長(テンポ)に対する高い再現性が確認され,Pop-Eによって,少数のルール群で人間に近い演奏を生成しうる可能性が示唆された.
- 2007-01-15
著者
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河原 英紀
和歌山大学システム工学部デザイン情報学科
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長田 典子
関西学院大学理工学部
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片寄 晴弘
関西学院大学理工学部
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長田 典子
三菱電機(株)
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河原 英紀
和歌山大学
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橋田 光代
関西学院大学理工学部
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橋田 光代
科学技術振興機構さきがけ研究21
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橋田 光代
関西学院大学大学院理工学研究科:科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業crestmuseプロジェクト
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長田 典子
関西学院大学大学大学院理工学研究科情報科学専攻:科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業crestmuseプロジェクト
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長田 典子
三菱電機
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長田 典子
関西学院大学
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長田 典子
三菱電機(株)産業システム研究所
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片寄 晴弘
関西学院大
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長田 典子
関西学院大 理工
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長田 典子
関西学院大学理工学部情報科学科
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