感情判断と言語判断母語は外国語より感情認知しやすいか

概要

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本研究では、日本児、米国児が「喜び」「悲しみ」「怒り」「驚き」「平静」の感情を込めた/pikachu/という発話を対象に、日本語あるいは英語を母語とする成人聴者群が、話者の感情と母語を同定する課題を行った。その結果、日米聴者群とも両課題とも同定率は日本児発話に対して米国児より有意に高かった。「平静」発話の同定率には、聴者及び話者の母語の違いに依存した有意差があった。どちらの聴者でも、「怒り」「悲しみ」「平静」は同定率が高く、「喜び」「驚き」では低かった。感情発話からの感情同定率は「平静」発話の同定率に比べて有意に低かった。以上の結果から、感情表現には言語に固有の特性があるものの、平静発話ほど母語の音声的制約には拘束されていないことが示唆された。
社団法人電子情報通信学会の論文
2001-10-09