味覚センサ用受容膜の基本特性へ及ぼす苦味物質の影響

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概要

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最近開発された味覚センサでは, その受容部に支持材であるポリ塩化ビニルに可塑剤と脂質を混ぜて作成された脂質高分子膜を使用しており, これまで多くの食品へ適用され, 食品の識別や味の定量化の可能性が示されてきている. また, 脂質を混入させずに支持材と可塑剤のみで作成した膜(ベース膜)は, 脂質高分子膜中の脂質の働き, またそれ以外の成分の膜への影響を調べるのに最適であり, その研究は今後の味覚センサ用受容膜のさらなる改良にも有益であると考えられる. 本研究では, 脂質高分子膜及びベース膜を苦味物質溶液に浸けたとき, 膜の特性にどのような変化が生じるかを調べるため, 苦味物質キニーネに浸けた受容膜の膜電位及び膜インピーダンス測定を行った. その結果, キニーネが膜に吸着して膜の荷電状態を変え, その膜電位応答特性にも影響を与えるが, その吸着は弱いものであることが示唆された.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-01-25

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