植物の細胞外電位の長時間計測に見られるサーカディアンリズムとステップパルス状振動電位特性

概要

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植物細胞間には動物の電気シナプスに相当する細胞間結合(ギャップジャンクション)としてプラスモデム(Plasmodesmaがあり、光や温度など外部環境の変化を一斉に伝達し、処理することが考えられる。本研究では、心電図用の表面電極(Ag/AgCl)と高入力抵抗の高感度作動増幅を用いることで、人工気象器内において、植物(アロエ、aloe)の環境刺激(焦土、温度、湿度、土壌水)に対する適応的な反応を細胞外電気記号として長時間(4〜8週間)安定に連続計測可能とした。結果として、電気信号には光刺激に同期した長時間周期の振動現象(日周リズム)がみられ、連続遮光下においても依然として、概日性のリズムが残存し、内在性の生物時計の存在の可能性を示した。また、光刺激開始の数時間後に、短周期(2-180秒)のステップパルス状の振動電位が顕著に発生することを示した。連続遮光や無灌水下では、リズム電位振幅は減弱し、ステップパルス状の振動電位は停止することから、細胞外電気信号は光合成や土壌水不足に伴う生理現象を反映していると考えられる。
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-05-17