虹彩模様の回転変化が及ぼす個人認証への影響

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虹彩模様の回転変化を認識できる回転拡散型ニューラルネットを用いた虹彩模様による個人認証システムの開発が行われている.このシステムは,画像取得時において虹彩画像に回転変化が生じた場合でも,回転変化量を認識し補正を行うことにより,回転変化に影響されない形状認識が可能である.本研究では,形状認識に用いる特徴ベクトルの回転変化に対する許容性を明らかにすることによって,方位補正を行う範囲について検討を行った.実験の結果,拡散パターンを用いた形状認識は±10°程度の許容性があり,許容範囲を超えた回転変化が生じた場合,方位補正が必要であることが明らかとなった.一方,回転拡散ネットによる方位認識において,使用する虹彩画像によっては方位認識誤差が大きくなることがあり,これらの方位認識誤差の原因の調査を行った.調査の結果,システムが計測する瞳孔中心座標,瞳孔径及び虹彩径の計測誤差が方位認識精度に影響を及ぼすことが明らかとなった.そこで,移動平均を用いて,瞳孔中心座標,瞳孔径及び虹彩径の計測値を平滑化することにより,回転拡散ネットによる虹彩模様の方位認識精度の向上を試みた.実験の結果より,移動平均による平滑化を用いても方位認識精度を向上させることができないことから,虹彩領域の変動を許容できる拡散パターン生成法が必要である.
2008-03-05

虹彩模様の回転変化が及ぼす個人認証への影響

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