回転サイズ拡散型ニューラルネットによる人物顔認識システム : 未学習顔識別に関する検討

概要

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神経科学実験により空間認識・記憶系の頭頂連合野に,刺激の空間的方向識別や記憶に関連して活動するニューロンの存在が報告されている.これら脳の空間認識・記憶系の情報処理様式に習い,物体方位,サイズ,及び形状を同時認識する『回転サイズ拡散型ニューラルネット』(回転サイズ拡散ネット)が考案されている.我々はこれまで,回転サイズ拡散ネットを人物の顔画像を用いて学習,想起を行う人物顔認識システムヘと拡張し,学習顔に関してその有効性を示してきた.しかし,これまでの回転サイズ拡散ネットでは,学習時と全く同じ人物顔画像を想起人物顔画像として用いてきた.本研究では,再度撮影した人物顔画像を認識人物顔画像として認識特性を調査した.また,未学習顔を対象としたときの認識特性を調査し,未学習顔に対応したシステムヘと回転サイズ拡散ネットを改良した.形状認識判定基準に内積,最小距離を追加し,内積,最小距離の判定閾値をそれぞれ0.999〜0.997,0.04〜0.08とすると本人拒否率,他人受け入れ率を共に0%にすることができた.
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-03-11