連合野-内嗅野-海馬系(AEH)モデルによる顔認識における方位選択性特徴の効果

概要

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これまでに連合野-内嗅野-海馬系(AEH)モデルが考案され,顔による人物認識の研究が行われてきた.AEHモデルとは,脳の側頭連合野と頭頂連合野の相互関係にJonesの仮説を組み込んだエピソード記憶ニューラルネットワークモデルである.網膜や視覚野における情報処理では,LoG (Laplacian of Gaussian)フィルタや方位選択性などの特徴抽出処理が行われていると考えられている.従来研究では,LoGフィルタ特性を導入することにより,顔による人物認識での有効性を示した.しかし,方位選択性による人物認識の効果は調べられていない.よって,本研究では方位選択性の特徴抽出処理をAEHモデルに導入し,顔による人物認識特性を調査した.方位選択性特徴を導入したAEHモデルでは,100人分の顔画像データベースによる顔認識率が87.5%であり,LoGフィルタを用いたAEHモデルによる顔認識率と同等であることが示された.また,位置ずれ許容範囲はx軸方向に±3 pixels, y軸方向に±1 pixelであり,位置ずれ許容範囲に関してもLoGフィルタを用いたAEHモデルとほぼ同等の認識特性であった.
2012-05-18