ステレオ距離画像を用いた人物計数技術の提案

概要

論文の詳細を見る
近年セキュリティ意識の高まりから,ビデオ映像や監視カメラに映る人物を検出,追跡する技術が注目されている.監視映像の場合,様々な位置に設置されたカメラからの映像を処理する必要があるが,従来の手法では特定の位置に設置されたカメラからの映像を仮定し,その仮定のもとでうまく動作するアルゴリズムが考案されて来た.本論文では,3次元変換可能という意味で視点依存性が少なく,かつセグメンテーションの能力に優れたステレオ距離情報を用いて人物を検出および計数するアルゴリズムを提案する.本アルゴリズムでは,Beymerらの提案する"occupancy map"と似た床面上へのヒストグラムを用いるが,ヒストグラム解析を工夫して,隠蔽された人物を検出できるようにしている.本手法を用いて実際の映像から歩行者を計数する実験を行った結果,非常に多くの隠蔽がある状況において,水平画角約63度,俯角約-30度,地上高約2[m]からのカメラの映像を用いて,同時に画像中に6人程度までの計数が可能であることを確認した.また,標準的なPC上でリアルタイム(約0.5[fps])で動作するシステムを試作し,実際の環境下でロバストに動作することを確認した.
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-12-13