生活時間の観点からみた夫妻の家事労働分担の実態
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概要
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家事労働時間は, 男女平等の指標として国際的に注目されており, これまで長い間, 夫妻の家事労働分担には, ジェンダーの偏りがあることが指摘されてきた. 本報の目的は, 東京都世田谷区において1995年に実施した生活時間調査結果のデータを用いて, 夫妻の家事労働への参加の実態を明らかにすることである. 本研究の結果から, 平日および休日の夫妻の家事労働時間, 家事労働行為者率, 家事労働分担率を示した. 妻が常勤の夫の家事労働への参加は最も進んでおり, 平日の平均家事労働時間は, 50分であった. 妻が常勤の夫の66.2%は, 平日に家事労働を行っており, 彼らの29.7%は, 以前のデータではきわめて一般的ではなかった衣生活管理の家事労働を行っていた. また, 妻が常勤の夫は, 平日に世帯内で行われる家事労働の19.2%を分担していた. この比率は, かつてない高率であり, 妻が常勤の夫妻は, ジェンダーにとらわれない生活様式を形成しつつあるように思われた. 一方, 最も性別役割分業に応じた傾向を示していたのは, 妻がパートの夫妻であった.
- 社団法人日本家政学会の論文
- 1997-03-15
著者
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