母音間閉鎖子音知覚における音素特徴抽出と知覚的統合過程
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概要
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日本語無声閉鎖子音の知覚的統合における話者性情報や子音情報の役割について検討した。実験刺激は, 一話者によって発声されたVCV音の閉鎖前部音と異なる話者の発声したVCV音の閉鎖後部音とをクロススプライシングして作成した。それぞれの刺激は閉鎖後部音の開始から白色雑音で雑音置換した。この結果, 話者性情報は無音区間を短縮したときの有声音化だけに寄与すること, 促音化知覚は無音区間長が 200ms 以上であれば刺激の種類によらず増大することが分かった。これらの点から話者性情報はいったん抽出された音素特徴の知覚的統合には無関係であること, 促音は日本語音声においてはそれ自身一つの知覚単位を形成することなどが推論された。
- 社団法人日本音響学会の論文
- 1997-02-01
著者
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