音声知覚における話者への適応性の検討
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概要
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本論文では受聴者の話者への適応能力を明瞭度によって定量的に示す。単音節知覚時における話者への適応能力を明瞭度試験によって検討した。刺激として同一話者の5音節を一つの単位として話者20名で日本語100音節を構成したもの等を用いた。実験結果から、連続した同一話者の音節を受聴する数の増加と共に明瞭度が上昇し、4〜5音節で上昇は飽和する。すなわち、話者に対する適応は4〜5音節の受聴で達成される。話者に適応する前と適応が達成されたときの明瞭度の差で適応の効果を示すとその効果は拗音よりも破裂音に対して大きい。適応は適応していないときに明瞭度に低い話者の方が明瞭度の高い話者よりも顕著である。また、獲得された適応は異なる話者の発声した6〜7音節を受聴すると失われることが明らかとなった。
- 社団法人日本音響学会の論文
- 1988-03-01
著者
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