音場の逆フィルタ処理に基づく能動騒音制御
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概要
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本稿は、残響のある一般室内へ放射される広帯域ランダム騒音を複数点で抑圧する多点騒音制御法と、この制御法を用いたとき、騒音制御点の周辺に生成されるquiet zone(同一室内の他の空間より騒音音圧が低減された領域)の大きさやそこで実現される騒音抑圧量を、制御点配置から予測する推定式について述べたものである。提案する騒音制御法は、音場逆フィルタ処理技術を用いて、付加音源が放射する騒音制御信号から室内反射音に起因する歪を取り除くことにより、複数点で観測される騒音の正確な制御を実現するものである。また、上記推定式からは、所望の騒音抑圧性能を備えたquiet zoneを生成するために必要な騒音制御点配置の目安を得ることもできる。50〜400Hzのランダム騒音を38cm離して設置した2点で制御した実験では、騒音制御点において平均30dBの騒音抑圧量が得られた。また、制御点周辺に生成された6dB以上の騒音抑圧量を持つquiet zoneは、長軸76cm、短軸19cmの楕円体となっており、上記推定式を用いて予測したquiet zoneとよく一致していた。
- 社団法人日本音響学会の論文
- 1989-12-25
著者
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