並列計算機EM-4におけるマルチスレッドプログラミングモデルと性能評価

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EM-4は、強連結枝モデルに基づくデータ駆動計算機である。EM-4では、強連結枝で結ばれたコードを一つのブロックとし、同期をコードプロックの先頭に制限して、発火されたコードプロックをレジスタベースのRISCアーキテクチャで効率に逐次実行することで強連結枝モデルを実現している。このコードプロックを強連結ブロックと呼ぶ。強連結枝ブロック内は逐次実行されているので、この強連結枝ブロックを連鎖してパケットで実行することによって、任意の長さの命令列でも逐次実行することが可能となる。我々は、EM-4の要素プロセッサEMC-Rの逐次Cコンパイラを開発した。これによって、各要素プロセッサ上で、C言語で記述された逐次プログラムを実行することができる。この逐次実行を基本とするプログラミングでは、各要素プロセッサごとに一つあるいは複数の逐次実行(thread)を記述し、これらの間で同期を行って並列計算を行う。このようなプログラミングモデルを、データ駆動計算機本来のデータフロー計算モデルに対して、ここではマルチスレッドプログラミングモデルと呼ぶことにする。このプログラミングモデルでは、EM-4はそのデータ駆動計算機としての特徴から、スレッドの生成、同期が非常に高速な分散メモリのマルチプロセッサとして見ることができる。本稿では、EM-4でのマルチスレッドモデルについて述べる。同期方式としては、メッセージ通信と分散データ構造によるものがあるが、ここではメッセージ通信の実現について説明し、簡単な性能評価について述べる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-02-24

並列計算機EM-4におけるマルチスレッドプログラミングモデルと性能評価

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