データ駆動計算機EM-4における資源管理の実現

概要

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データ駆動型シングルチッププロセッサEMC-Rからなるデータ駆動計算機EM-4を開発中である。データ駆動モデルではデータの待ち合わせとして同期が自然に記述されるため、同期が重要である並列計算機のモデルに向いていることが知られている。一般にデータの待ち合わせは1対1である。ループや再帰のようにノードとアークが共有化されている場合でも、カラーをつけて区別しているのでやはり1対1が基本である。一方、資源管理問題を考えると、その資源に対する処理はその資源への他の要求から排他的に処理しなければならないことが多い。データ駆動モデルでそのような資源管理を記述しようとすると、1つの資源に対して複数(3以上)の要求があった場合に、その資源の処理との同期を取りつつうまく待ち合わせができなくてはいけない。言い替えると、各々の要求のカラーを変えている場合にはそのカラーの違いを無視したカラーレスな処理が必要であり、同じカラーを持たせている場合には同じ待ち合わせアドレスでの複数データの待ち合わせが必要である。このような拡張を実現する実際のメカニズムとして、操作が許可されるまで繰り返し操作を再実行する方式、タグのマッチングに順序関係を持ち込む方式、アークをキューとして実現する方式、Iストラクチャのような特別の構造体を用意する方式などいろいろある。SIGMA-1でも後ろ2つの方法を取り入れている。しかし、EM-4では強連結枝モデルというこれまでとは異なる方式でこれらを解決することができる。以下ではEM-4における資源管理の実現方式について述べ、「食事する哲学者」問題を実例としてこの方式の特徴について考察する。
1990-03-14

データ駆動計算機EM-4における資源管理の実現

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