科学技術文書のためのテクニカルライティング : 並列表現と修飾表現が存在する場合

概要

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テクニカルライティング(以下TWと呼ぶ)の目的は、理解しやすい文で情報を正しく伝搬することである。その手段としては、ある種の制限が加えられた言語(制限言語)が有効である。その制限言語が持つべき性質を以下に示す。a)記述力があることb)曖昧性がないことc)読み手に理解しやすいことd)書き手に負担がかからないこと機械翻訳の前編集におけるメタ記号(並列句・挿入句の範囲を指定する)の挿入など、現在行われている(広義の)TWにはc)の性質に該当しない場合もある。しかし、この種のアプロ一チは、その不自然さの為、人間の読者を対象にした科学技術文書のTWとしては不適格であると考えられる。上記のTWの枠組みに加えて、実際にTWを行う際に要求されるのがTW規則の明確性・整合性である。一般に自然言語の全ての場合についてTWの規則を規定するのは困難である為、TWの規則の記述は概して指針的であり、行うべき処理が明確にされていない。また、規則同士が無矛盾であるという保証が明示的にはなかった。例えば、「、」には複数の用法がある為,複数の規則によって打たれるべき位置が指定された場合、これらが一致するとは限らない。すなわち、任意の概念を表そうとする時、使われるべき表現を決定する方法を確立する必要がある。我々は以上の点を踏まえて、1)言語の持つべき性質を備えた制限言語に基づいた、2)アルゴリズム的に表現を導くことができる、TWを目指している。本報告では、並列表現と修飾表現が共起する場合のTWについて述べる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1990-09-04

科学技術文書のためのテクニカルライティング : 並列表現と修飾表現が存在する場合

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