コミュニケーション支援のための個人情報公開システムPIP

概要

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近年、コンピュータやネットワーク環境の整備が進み、個人が大量の情報を所有することが可能になった。情報検索の高度化については、情報収集エージェントやインタフェース・エージェント等の研究が報告されているが、個人で所有する情報の公開に関する研究は十分になされていない。ネットワークを介した個人間のコミュニケーションには、誤解や感情的な行き違いが生じやすい。特定の個人間や限定された集団内での情報伝達/共有を促進するには、対人関係や感情に対する考慮が重要だが、現状はファイルのアクセス権の制御程度にとどまっている。このため、コミュニケーションが滞り、有益な情報が死蔵されているのが現状である。これらの問題を解決するため、筆者等は、個人が所有する情報を所有者の代理で公開する個人情報公開システムPIP(Personal Information Provider)を提案する。以下では、PIPの目的と特徴について述べ、独り言音声とキー入力によるマルチモーダル感情認識手法について論じる。最後に、プロトタイプの開発と評価実験について説明する。
社団法人情報処理学会の論文
1996-03-06