音声自由対話システムにおける音声応答キャンセル機能の実現
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概要
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本論文では音声による計算機との自然な対話を実現するための音声応答キャンセル機能について述べる.この音声応答キャンセル機能は,音声対話システムにおいて入力音声に混入した音声応答成分を除去し,システムからの音声応答をさえぎって常時音声入力可能とするものである.ユーザの動きや環境の変化による音響伝達系変化に追随するため,音声応答成分の推定にはNormalized LMS(NLMS)アルゴリズムによる適応フィルタを用いた.適応フィルタの入力信号はパワー変化の大きい合成音声であるため,パワーに応じた適応動作の制御を行い,収束の安定化と高速化を行った.実対話システムを用いた実験により最大20dBの音声応答キャンセル結果が得られ,本アルゴリズムの有効性が確認された.また,音声応答キャンセル機能に必要な定常抑制量と収束速度が得られるように適応フィルタのパラメータを設定し,ユーザの動きによる音響伝達系変化に追随できることを確認した.更に,音声応答キャンセルの誤差のおよぼす音声認識性能への影響を検討した結果,キャンセル量が12dB以上の場合には音声応答が重畳していない場合と同等の認識性能が得られた.本音声応答キャンセル機能を組み込んで実時間音声自由対話システムTOSBURG2を試作し,自由な対話が行えることを確認した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-06-25
著者
-
竹林 洋一
(株)東芝研究開発センター
-
竹林 洋一
静岡大学情報学部情報科学科
-
竹林 洋一
(株)東芝 研究開発センター 情報・通信システム研究所
-
永田 仁史
(株)東芝研究開発センター
-
デビッド グリーブス
(株)東芝研究開発センター
-
永田 仁史
(株)東芝 関西研究所
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