成長を考慮した樹皮のCGモデル

概要

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本研究では, 樹皮の表面のひび割れパターンを, 力学モデルにより生成する手法を検討した.樹皮の近傍の領域を, 樹木の表面の構造に関する植物学の知見に基づいて, 層状のモデルとして表現した.このなかでは各層を, 樹皮表面の微小領域をノードで, それらの間の結合をバネで表現するバネモデルで記述した.ひび割れパターンは, 樹木の成長にともない表層に生じる力に基づいて微小領域間の結合が破断した結果として発生する.さらに, 樹木の比較的長期の成長における樹皮の生成・ひび割れ・剥離・脱落の過程を考慮するために, モデルにおける表層を多層化し, また表層を生成するメカニズムを付加することを試みた.このようなモデルに基づくシミュレーションにより, 物理的特性を変化させることにより目的とした樹皮パターンが生成されることを示した.また, 樹皮のひび割れ, 剥離, および新層形成の繰り返しにより, その成長過程のCG表現が可能であることを示した.
一般社団法人情報処理学会の論文
1998-02-27