バウム・テストにおける黒白比較 : 数量化II類による分析
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概要
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精神病院入院患者を対象にしたバウム・テストにおいて,樹皮一面“まっ黒な”バウムを描いた男女各50名(陰影群)と,幹や枝の輪郭のみからなる“まっ白な”バウムを描いた男女各50名(空白群)とが操作的に抽出され,両群に別途実施された矢田部・ギルフォド性格検査や顕在性不安検査の各尺度等15変数を説明変数として,林の数量化Ⅱ類による両群の判別分析が行われた。その結果,矢田部・ギルフォド性格検査における抑うつ性や社会的外向性,また,バウム描画後の被抑制経験(抑制帯によるベッドへの一時的拘束)に示されるアクティング・アウト傾向(「暴力・衝動的行為」や「他患との強度のトラブル」等)が,男女に共通する主な判別要因として指摘され,それに基づいて,特に行動障害予告サインとなりうる“まっ黒な”バウムの存在意義が強調された。This clinical research aimed at clarifying the characteristics of the“shade”group as compared with the“blank”group in Koch's Baumtest(tree-drawing test),with 200 mental inpatients served as the subpects.The“shade”group was composed of 100 drawers of“jet-black”trees,and the“blank”group was composed of 100 drawers of“immaculately white”trees.A comparison between the two groups was made by using Hayashi's quantification method of the second type.The explanatory variables were fifteen ones including each scale of some personality tests administered to the subjects.As a result of the analysis,it was found that the inclinations to depression,social extroversion and acting-out featured the“shade”group.This finding seems to suggest that the“jet-black”tree can be a sign of the examinee's behavior disorder.
- 大阪教育大学の論文
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