早発-遅発非行少年の比較研究
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概要
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早発非行少年と遅発非行少年の相対的特徴を明らかにする目的で,少年鑑別所入所者(18,9歳男子)を対象に前者100名(早発群)と後者100名(遅発群)の相互比較を行い,次の所見を得た。すなわち,早発群は,遅発群に比べ概して家庭の保護状況が劣悪で,学歴も低く,頻回にわたる家出・転職の末徒遊化し,多種方向に非行範囲を広げ,処分歴を重ねていく者が多いが,その中には,生活のために財産犯(主として窃盗)のみを反復する,貧困・欠損家庭出身の古典的非行少年群ともいうべき特異な一群が含まれており,これと遅発群,とりわけその中の暴走族群とはいろいろな点で対極的な位置にあり,両群の対比を通して「少年非行における不易と流行」の具体的様相を知ることができる。In order to clarify the characteristics of early and late criminals in juvenile delinquency,200 delinquent boys,aged 18-19,were clinical psychologically examined in Osaka Juvenile Classification Home.They were divided evenly into two groups,i.e.Group E(early criminals)and Group L(late criminals),according to their ages of the first police record.And these two groups were compared with each other in respect of a number of items.Concerning many items,the significant difference could be proved between the two,Group E being markedly unfavorable in points of intrafamilial,educational,occupational and social adjustabilities compared with Group L.From a viewpoint of criminal life curve,furthermore.most of the early criminals were ditropic or polytropic,while the fewrepeated the offenses for profit existed.This homotropic subgroup in Group E had such criminogenic factors as financial difficulty,breakdown of home life,mental inability,etc,and seemed to form a striking contrast to thesubgroup of juvenile automobile gangs in Group L.In comparison with these subgroups,two aspects of juvenile delinquency,“changelessness”and“changeableness”could be well materialized.
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