バウム・テストにおける黒白比較(続) : 数量化III類による分析
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概要
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精神病院入院患者を対象にしたバウム・テストにおいて,“まっ黒な”バウムを描く被検者群(陰影群)と“まっ白な”バウムを描く被検者群(空白群)との性格及び行動特徴を比較検討する研究の一環として,今回は,数量化Ⅲ類によるパターン分類が男女別に行われた。説明変数は,上記両描画群及び彼らに別途実施された性格検査の各尺度等,計16変数(46カテゴリー)であった。その結果,男女とも,「情緒安定―不安定」の第1軸と「活動的・外向的―非活動的・内向的」の第Ⅱ軸とが抽出され,両軸の交叉によって4つの象限が区分されたが,両描画群は対極的な象限に位置し,その距離は第Ⅰ軸よりも第Ⅱ軸において大きかった。つまり,陰影群は活動的・外向的,空白群は非活動的・内向的,と互いに逆方向に離れて位置しており,特に男子の場合には,バウム描画後1週間以内の被抑制経験(抑制帯によるベッドへの一時的拘束)の有無との関連(陰影群:抑制あり,空白群:抑制なし)が明らかであった。As a sequel to the previous study on Koch's Baumtest,“Pattern Analysis,”the analysis of the third type in Hayashi's theory of quantification,was carried out with 200 mental inpatients served as the subjects.They were divided evenly into two groups of examinees,namely the shade group and the blank group.The former consisted of the drawers of“jet-black”trees,and the latter consisted of the drawers of“immaculately white”trees.The explanatory variavles were sixteen ones including the above drawing groups and each scale of few psychological tests administered to them.In result,two dimensions were extracted.The first indicated the emotionality(stable vs.unstable),and the second indicated the activity and version(active and extroversive vs.inactive and introversive).The configurational contrast between the shade group and the blank group was found.One was located distantly in the direction opposite to the other's,especially in the second dimension.Thus it was clarified that the shade group was connected with the active and extroversive disposition,while the blank group was connected with the inactive and introversive disposition.
- 大阪教育大学の論文
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