高等学校家庭科の現状と問題点 : 大阪府下における実態
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概要
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最近,高校家庭科について社会的関心が高まり,特に男子の家庭科履修に関する問題は教科の大きな課題となっている。そこで,本稿では大阪府下における高校家庭科の実態,家庭科担当教員が「家庭一般」の内容や男子の家庭科履修についてどのように考えているのかを明らかにすることを目的に調査を行なった。各高校の教科担当は,専任教員が1人の学校が多く,専任教員の増加が望まれている。「家庭一般」の指導については,住居,ホームプロジェクト,学校家庭クラブの指導率が少なく,これらの分野の指導は苦手と考える教員が少なくない。さらに,「家庭一般」の内容については,現代の家庭問題等をもっと盛り込むべきであるという意見が多く,具体的には離婚問題,老人問題,住宅問題等があげられていて,これらの社会的問題に対し家庭科が応えていくべきであるという姿勢がうかがえた。男子の家庭科履修については,実際に指導している高校はわずかであるが,その必要性はほぼ全員が認めている。男子を指導する場合,指導内容は領域をしぼって男女共学で指導すべきという意見が多かった。People have recently shown a keen interest in homemaking course of senior high school.In particular,problems on the boy's studying of homemaking course are great subject in the course.So we have examined the present condition of homemaking course of senior high schools in Osaka Prefecture,and have investigated to make clear the opinions of teachers in charge of the course on the contents of the subject "general homemaking" and on the boy's studying of the course.As a result,in the most of the schools there is only one full-time teacher in charge of the course and so an arrangement of the more teachers is desired.In teaching of "general homemaking",the contents on housing,home projects and Future Homemakers of Japan are poor,and many teachers think that they are weak in those subjects.On the contents in "general homemaking",most of the teachers consider that it should contain the contemporary problems in the home,such as those on the divorce,on the old and on the housing.Therefore they state that the subject "homemaking" should respond even to the social problems.Many teachers state also that boy's studying on the homemaking is necessary,although this is put in practice only in a few schools.They consider that if they teach boys homemaking,the class should be organized by coeducation and the materials should be selected.
- 大阪教育大学の論文
- 1984-12-31
著者
-
亀崎 多佳子
大阪府立市岡高校
-
新福 祐子
大阪教育大学家政学教室
-
藤田 敬代
福泉中学校
-
加地 芳子
大阪教育大学家政学教室
-
亀崎 多佳子
大阪教育大学家政学教室
-
藤田 敬代
大阪教育大学家政学教室
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新福 祐子
大阪教育大学
-
新福 祐子
大阪教育大学家政教育講座
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