担癌宿主の細胞性免疫能における末梢血単球機能の意義
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概要
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担癌宿主においては,リンパ球機能の低下が報告されており,その機序として患者血清申の免疫抑制因子の関与をはじめ種々の要因に関する検討が行なわれている.最近,Potter et al.は,単球一マクロファージ系細胞がリンパ球のmitogen に対する反応性を増幅させる能力を有していることを報告しているが,リンパ球分離法として一般に用いられているFicoll-Hypaque 比重遠心法では,得られたリンパ球群に10〜20%の単球が混在しており,従って,この方法により認められてきた担癌宿主のリンパ球機能の低下が,混在する単球の性格によって影響を受けている可能性は否定できない.そこでSilica 貧食法を用いて単球を完全に除去した実験群(純リンパ球群)のリンパ球RHA反応性と,Ficoll-Hypaque 比重遠心法により求めた単球を含有したリンパ球群(リンパ球群)のPHA反応性を比較する事から,癌愚老のリソバ球mitogen 反応性に及ぼす単球の影響につき検討を加えてみた.対象は子宮頚癌患者で,進行期により初期癌群,2期癌群および進行癌群にわけた.また,コントロール群として良性腫瘍患者および健常人を用いた.その結果,いずれの群においても単球を除去することにより,リンパ球PHA反応性の低下が認められた.またリンパ球群(単球含有)のPHA反応性においては進行癌患者でコントロール群に比較し有意の低下が認められたのに反し,純リンパ球群(単球除去)においては,両者に有意な差が認められなかった.また,(リンパ球群(単球含有)リンパ球PHA反応性)/(純リンパ球群(単球除去)リンパ球PHA反応性)により,単球のリンパ球機能増幅能を求めると,進行癌群において有意な低下が認められた.この成績より,従来報告されている担癌宿主のいわゆるリンパ球機能の低下に関し,単球機能(リンパ球のPHA反応性に関する増幅能の低下)が大きく関与していることが判明した.
- 社団法人 日本産科婦人科学会の論文
- 1980-08-01
著者
-
迫 久男
大阪市立住吉市民病院
-
梅咲 直彦
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
須川 佶
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
迫 久男
大阪市立大学 産婦人科
-
須川 佶
大阪市立大学
-
李 東満
大阪市立総合医療センター
-
李 東満
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
李 東満
大阪市立城北市民病院
-
李 東満
大阪市立大学医学部
-
中出 潤子
和泉市立病院
-
中森 宏
大阪・和泉市立病院
-
中出 潤子
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
中森 宏
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
迫 久男
大阪市立住吉市民病院産婦人科
-
梅咲 直彦
大阪市立大学
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