新生児溶血性黄疸発症に関する研究 : 〓帯血にみられる動的滲透圧抵抗脆弱赤血球の機能的性格について
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概要
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既報の如くcoil planet centrifuge systemを用いて,〓帯血の赤血球動的滲透圧抵抗性について検討した結果,成人の溶血開始値110m osmol以上をしめる〓帯血中脆弱血球量が新生児黄疸重症度と密接な関連を有し,これら脆弱血球量から新生児黄疸を予知する方法を創案したが,今回この脆弱血球の機能的,代謝的性格を明らかにすべくcoil内溶血液を滲透圧に従つてFr. I (70m osmol以下),Fr. II (70〜80m osmol),Fr. III (85〜95m osmol),Fr. IV (95〜110m osmol), Fr. V (110m osmol以上)の5分画に分離採集し,その生化学的性格を分析し以下の成績をえた. (1) Hb F含量はFr. I73.4%,II66,7%,III70.7%,IV74,2%,V96.5%と膜抵抗の脆弱性が増加する程Hb F含量は増加した. (2) LDHはいずれの分画においても有意差は認められなかつたが,choline esterase,G-6-PDHおよびATP活性は,Fr. VではFr. Iの1/2以下の値を示した. (3) cholesterol及び総脂質は,Fr. VではFr. Iの約2/3の低値を示し,逆にFr. VのCa含量はFr. Iの約3/2の高値を示した. 以上の成績より,動的滲透圧抵抗の脆弱な血球は,嫌気性解糖系におけるEmbden-Meyerhof系,Pentose-phosphate系,及び膜内酵素の減弱した血球であり,しかも膜構成脂質の減少,並びにCa-influxの上昇した血球,即ち,老化ないし機能障害血球であると結論された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1978-10-01
著者
-
須川 佶
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
荻田 幸雄
大阪市立大学医学部産婦人科
-
石河 修
大阪市立大
-
志村 研太郎
大阪市立大学
-
安藤 哲史
柏原市立病院産婦人科
-
大西 賢哲
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
安藤 哲史
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
志村 研太郎
大阪市立大学 産婦人科
-
荻田 幸雄
大阪市立大大学院医学研究科生殖発達医学(産科婦人科学)
-
須川 佶
大阪市立大学
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