新生児溶血性黄疸発症に関する研究 : 新生児黄疸発症の重症度予知法

概要

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Coil Planet Centrifuge System (CPC法)により〓帯血及び新生児期の赤血球の動的〓透圧抵抗の推移を観測し,そのpatternに成人のそれと特徴的な差異があること,及び正常新生児と重症黄疸新生児の新生時期における赤血球動的〓透圧抵抗の推移にも変化を認めたが,今回,更に生下時における〓帯血中の脆弱赤血球量と新生児期における血清総ビリルビン値の最高値との関連をretrospectiveに観察し,CPC法による〓帯血中の動的〓透圧抵抗脆弱赤血球量から児の黄疸発症の程度を予知する方法を確立せんと試みた. 即ち,脆弱赤血球を成人の溶血開始値110mOsMより弱い赤血球とし,全赤血球中の脆弱赤血球量をパーセント表示し,これを黄疸発症予知指数(Neonatal Icterus Index, N.I.I)とした.その結果,(1) N.I.Iが7.0以下の28例において,前例児の黄疸発症の程度は最高総ビリルビン血15.0mg/dl以下であり,軽度であつた.(2) N.I.I 7.0以上の6例においては,出生早期に最高総ビリルビン値は15.0mg/dl以上となり,治療を必要とした. 以上の結果より,〓帯血中に存在せる脆弱赤血球量を計測することにより,その児の黄疸発症の程度を出生直後に予知し得る事が可能となつた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1978-01-01