新生児黄疸発症における血漿中赤血球膜抵抗安定化因子に関する研究
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概要
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Coil Planet Centrifuge System(CPC法)を用いた〓帯血の動的滲透圧抵抗を測定し,〓帯血中の脆弱赤血球量と生後における最高総ビリルビン値との間に高い相関があることを,既に報告して来た.しかしながら,〓帯血並びに新生児血の動的滲透圧抵抗の推移の解析過程において,脆弱血球量が同一であつても,その血中における消失速度が必ずしも同一ではなく,例外的に脆弱血球量に比例した黄疸発症を見ない例が存在することも認められた.そこで,赤血球存在の環境要因である血漿の赤血球動的滲透圧抵抗に及ぼす影響を検討し,血漿中に赤血球安定化因子(P-factor)の存在を確認すると共に,P-factorの性格及び物性を解析し,以下の結果を得た.(1)P-factorは赤血球膜と速やかに結合し,赤血球膜の動的滲透圧抵抗性の増強作用は,dose responsityを有する.(2)P-factorの膜安定化作用は,同一個体の血球に対してばかりでなく,他の異なつた個体の血球に対しても発現する.(3)P-factorの力価=(生理的食塩水中浮遊赤血球のH.S.P mOsM)-(血漿中浮遊赤血球のH.S.P mOsM)と表現し得る.(4)血漿中には,高分子文画P_1(分子量5.0×10^4〜7.0×10^4)並びに低分子分画P_2(分子量1.5×10^4以下)の少くとも2種のP-factorが存在し,P_1は低分子物質P'(分子量1.5×10^4以下)と蛋白質とが結合したものであることが,強く示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1978-02-01
著者
-
須川 佶
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
荻田 幸雄
大阪市立大学医学部産婦人科
-
石河 修
大阪市立大
-
志村 研太郎
大阪市立大学
-
島本 雅典
大阪市立母子センター
-
島本 雅典
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
大西 賢哲
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
川村 朝章
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
荻田 幸雄
大阪市立大大学院医学研究科生殖発達医学(産科婦人科学)
-
須川 佶
大阪市立大学
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