Clomid 二段投与による排卵誘発法

概要

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Clomid は無排卵性無月経症に対する有力な排卵誘発剤であるが, 無効に終る症例も数多く認められる. Clomid による排卵誘発率を上昇させるために, 従来の如く gestagen による消褪性出血後に Clomid を投与する方法(=C1omid一段投与法)により排卵を認め得なかつた症例に対し, Clomid 投与約1ヵ月後に消褪性出血を引き起こすことなく Clomid のみを投与する方法(=Clomid二段投与法)を施行した.対象とした無排卵性無月経症62例を血清中 gonadotropin 値により分類し, この治療法の効果を観察したところ, Clomid一段投与法による排卵誘発率は, 高LH-中FSH群33%, 中LH-中FSH1群48%, 低LH-中FSH群10%, 低LH-低FSH群O%であつたが, 排卵誘発不成功例に Clomid 二段投与法を施行することにより, 高LH-中FSH群80%, 中LH-中FSH群68%と排卵誘発率を上昇させることが出来た.しかし, 低LH-中FSH群, 低LH-低FSH群に対しては無効であつた.以上の成績より, Clomid 二段投与法は無排卵性無月経症のうち血清中 gonadotropin 値が, 中FSH値を示し, LHが中あるいは高値を示す症例に対して試みるうえで適切にして効果の期待されうる排卵誘発法と考える.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1976-12-01