進行卵巣癌に対する維持療法としてのCDDP間歇療法の役割
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
進行卵巣癌に対するCDDP療法は今までに経験しなかった著明な一次効果が得られている。しかしその効果はほとんど長期予後の改善にはつながっていない。そこで予後の改善を目指してCDDPの間歇療法を試行し, その予後および副作用について検討を加えた。CDDP間歇療法は手術療法および寛解導入化学療法に引き続き, 3カ月に一度CDDPを20〜25 mg, 3日または5日間投与する方法である。なお間歇期にはTegafurおよびOK-432の維持免疫化学療法を行った。治療の対象は主としてIII〜IV期の上皮性の卵巣癌患者で初回治療で腹膜や腸管への播種病変は遺残しているものの, 単純性子宮全摘術, 両側付属器摘出術および大網切除術が施行され主病変はほぼ摘出された症例である。なお今回の生存率や副作用の検討には治療開始後1年以上経過した症例を用いた。症例数は現在のところIII期4例, IV期3例である。なおIIc期1例は副作用の検討に加えた。生存率の検討では, 全例生存しており, そのうち最長生存期間は3年10カ月で3年以上経過症例3例, 2年以上経過例1例, 1年以上経過例3例である。なお1例のみCA-125の軽度上昇が見られ臨床上再発と考えられるが治療のたびに正常値に回復している。副作用に関しては投与総量を500 mg未満, 500 mg以上1,000 mg未満, 1,000 mg以上の3段階に分け検討した。血小板数, Hb, BUN, GOT, GPTに異状値が認められ, とくに血小板数の低下が著明であった。しかし投与総量を増しても副作用の発現頻度や程度の悪化は認められず蓄積性の副作用は無視できると判断された。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1989-02-01
著者
-
康 文豪
大阪市立総合医療センター
-
梅咲 直彦
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
須川 佶
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
山本 久美夫
大阪市立大学 産婦人科
-
山本 久美夫
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
康 文豪
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
大鹿 幸信
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
須川 佶
大阪市立大学
-
須川 佶
大阪市立大学産科婦人科学教室
-
大鹿 幸信
大阪市立大学 産婦人科
-
梅咲 直彦
大阪市立大学
関連論文
- P2-339 腹部症状を主訴に受診した思春期女性の疾病構造に関する検討(Group74 思春期,一般演題,第61回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 思春期女性の腹部症状 (特集 今,改めて"思春期"を考える--その問題点と対策)
- 卵巣癌の長期予後改善を目的とした間歇的CDDP療法の効果とその限界
- 526 抗カルジオリピン抗体(IgG)の妊孕性におよぼす影響 : マウスを用いての検討
- 超音波断層法による閉経後子宮内膜の観察 : 子宮体癌検診対象の選別を目的として
- 128 超音波断層法による閉経後子宮内膜の観察
- 子宮内膜癌のスクリーニング(エコー) (産婦人科 新 画像診断--外来・病棟で役立つ画像判読のポイント) -- (婦人科 腫瘍)
- 当科で経験した妊婦に対する腹腔鏡下手術について
- 挙児希望患者に対する腹腔鏡下手術の予後に関する検討
- 進行卵巣癌に対する維持療法としてのCDDP間歇療法の役割
- 高血圧型妊娠中毒症での臍動脈最大血液速度と胎児心血行動態の関連についての検討(一般演題:ポスター)
- 高血圧型妊娠中毒症の細分類による病態論的検討(シンポジウム : 妊娠中毒症病型の新しい視点)
- P1-529 染色体異常を伴わない妊娠初期nuchal translucency (NT)232例の転帰について(Group65 胎児・新生児6,一般演題,第59回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P1-453 陣痛発来直前に胎盤辺縁静脈洞破裂による絨毛膜下血腫,凝固系異常を認めたが,児心拍異常なく経膣分娩しえた一例(Group55 胎盤3,一般演題,第59回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P2-384 妊娠高血圧腎症重症例における待機策と母体合併症(Group 164 妊娠高血圧症候群IV,一般演題,講演要旨,第58回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P1-540 子癇発作との鑑別が困難であった椎骨動脈瘤の1症例(Group 71 妊娠高血圧症候群I,一般演題,講演要旨,第58回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 品胎妊娠47例の検討 : MD, DD双胎妊娠とのリスク比較(多胎III, 第57回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 腹腔鏡下手術を行い, 妊娠継続しえた子宮内外同時妊娠の2症例(不妊・不育XIV, 第57回日本産科婦人科学会)
- 29-6.26週未満早産症例における幸帽児帝王切開法の臨床的評価(第141群 妊娠・分娩・産褥期24)(一般演題)
- 卵管留水腫症例における抗クラミジア・トラコマティス抗体の検討
- 卵巣癌に対するSecond look operation(SL0)の評価 : 287例を対象として
- 当科関連施設における過去5年間の鏡視下手術の検討
- 超音波 power Doppler 法による絨毛性疾患遺残病変の評価
- 26 子宮頚部扁平上皮癌細胞からのSN38耐性株の樹立とその分子細胞生物学的性状の解析
- P-342 ヒト子宮内膜脱落膜細胞におけるG-CSFの産生とその生殖生物学的意義
- 322 ヒト子宮内膜間質細胞の脱落膜化自己制御機構
- P-52 卵巣癌への塩酸イリノテカン投与に伴う更年期障害に対する芍薬甘草湯の二相性効果
- 婦人科癌患者末梢血単核細胞のLAK活性誘導に及ぼす癌性腹水およびOK-432添加の影響
- 子宮内膜症における腹腔貯留液中Macrophage, およびInterleukin-1の不妊因子としての意義 : 動物実験による検討
- 68 着床部脱落膜組織における免疫担当細胞の分布とその性格分析
- 307 婦人科癌に対するadoptive immunotherapyの臨床的検討
- 手術 ラッププロテクターミニ・手袋法による腹腔鏡下体腔外卵巣嚢腫摘出術
- P-445 妊娠中に発症したリンパ腫型成人T細胞性白血病(ATL)の一例
- 229 妊娠中期に胎児腹水をきたし, 消失した後に羊水過少, 両側水腎症をきたした先天性後部尿道弁狭窄の2例
- P-235 妊娠後期に急性ウイルス脳炎を発症した3症例
- 当科における両側卵管留水腫合併不妊症例に対する腹腔鏡下卵管開口術の検討
- 腹部症状を主訴に来院した思春期女性に関する検討
- 症例 排卵誘発周期における子宮内外同時妊娠に対して腹腔鏡下手術を行った2例
- ラッププロテクターミニ・手袋法による腹腔鏡補助下手術について
- 遅延性排卵とTRH負荷テストによる潜在性高プロラクチン血症との関連性
- P-290 重症妊娠中毒症(純粋型HP)の蛋白尿重症度による細分類とその臨床的意義について
- P-167 妊娠中期におけるダウン症胎児のスクリーニング : 羊水診断例での母体血清マーカーと胎児超音波所見
- P-149 新生児脳障害と周産期事象について
- P-84 高血圧型妊娠中毒症での臍動脈最大血流速度と胎児心血行動態の関連についての検討
- 230 児の予後から見た妊娠28週未満における帝王切開の意義
- 79 HP型重症妊娠中毒症症例における血中arginine値, cGMP値の動態に関する検討
- 重症妊娠中毒症における臍動脈及び胎児肺動脈最大血流速度の臨床的意義(一般演題:ポスター)
- P-113 高血圧型重症妊娠中毒症の血圧による細分類とその臨床的背景について
- 203 TRH(ThyrotropinReleasingHormone)の母体投与による新生児各種臓器機能に及ぼす効果について
- 重症妊娠中毒症の後遺症(特に蛋白尿)についての検討(ミニシンポジウムI : 血圧および尿蛋白測定の読みと意味)
- 重症妊娠中毒症(特にHP型)の拡張期血圧による細分類とその臨床的背景について(臨床部門)(第17回日本妊娠中毒症学会学術奨励賞受賞論文)
- 185 妊娠経過に伴うangiotensin IIに対する血管反応性の変化と血管内皮機能の関与 : 妊娠家兎摘出血管を用いた検討
- 妊娠中毒症症例における血漿 arginine 濃度に関する検討(ポスター)
- 当科における重症妊娠中毒症の管理とその臨床的背景(ポスター)
- P-448 妊娠中期における羊水穿刺の安全性は向上したか?
- P-23 婦人科再発癌の脳転移に対するガンマナイフの治療成績
- 139 PDT 療法の治療効果に伴う子宮頚部初期病変の治癒機転に関する組織細胞学的ならびに超微形態学的検討
- 70 稀なるmassive ovarian edemaの性ステロイド産生能の検討ならびに成因についての考察
- 46 子宮癌に対するCarboplatinの長時間持続局所注入療法の薬理動態
- LPS投与妊娠ラットを用いたHELLP症候群動物実験モデルの作成(一般演題:ポスター)
- P-72 卵管癌に対するCDDP+CBDCA併用療法の効果
- 癌性腹膜炎に対するrecombinant interleukin-2併用OK-432腹腔内投与の基礎的, 臨床的検討
- 稀なる卵巣腫瘤"massive ovarian edema"
- LAK cellの腹腔内adoptive transferとrIL-2の腹腔内投与が有効であった子宮内膜癌再発による腹水貯留の一症例
- 102. 進行癌患者マクロファージの免疫抑制活性
- 403. 子宮頸癌患者に対するLAK cell を用いたadoptive immunotherapyの基礎的検討
- P-155 卵巣癌における長期予後因子としてのGST-π発現の意義
- 正常婦人末梢血肉リンパ球の機能的不均一性について
- 122 妊娠維持における脱落膜の役割 : とくに免疫学的機序による
- 74 自己免疫疾患合併妊娠における臨床統計的および基礎的検討
- 卵巣癌の予後と化学療法の効果 : 多施設による共同研究
- 本邦における卵巣癌の予後因子に関する検討 : 多施設による共同研究
- 259 子宮内膜症における抗子宮内膜特異抗体の生物活性および臨床的意義
- P-16 子宮内膜症の漢方療法と抗子宮内膜特異抗体価の推移
- 270 妊娠初期脱落膜および絨毛組織におけるG-CSFmRNAの発現状態およびその局在
- 妊娠初期脱落膜細胞における顆粒球コロニー形成刺激因子(Granulocyte Colony Stimulating Factor, G-CSF)産生
- ラッププロテクターミニ・手袋法による腹腔鏡補助下手術について
- 妊婦末梢血単球・マクロファージ系細胞の細胞性免疫能におよぼす影響
- 担癌個体の細胞性免疫能に果たす末梢血単球機能の意義(単球添加法を用いての検討)
- 42. 胞状奇胎症例における続発性腫瘍発生の予知に関する研究
- 197. 絨毛性腫瘍患者の細胞性免疫能の変遷について
- 家兎妊娠経過に伴う血管内皮機能の変化 : angiotensin II (A-II) による摘出血管の反応性より(妊娠中毒症の発症メカニズムとその予知)
- 脱落膜細胞含有分画培養上清の細胞性免疫抑制活性についての検討
- 206. 胎児・新生児期における細胞性免疫能の発達過程とその特異性に関する研究
- 担癌宿主の細胞性免疫能における末梢血単球機能の意義
- 26.子宮頚癌患者における胸腺ホルモンの変動に関する研究 : ヌードマウス脾細胞を用いたbioassayによる検討 : 第6群 子宮頚癌 免疫 その1
- 27.子宮頚癒患者末梢血内マクロファージのリンパ球T-lectin反応性に与える影響 : 第6群 子宮頚癌 免疫 その1
- 胎児。新生児期における前駆丁リンパ球の機能分化に関する研究(仔牛胸腺ホルモンを用いての検討)
- 216. 胎児・新生児期における免疫担当細胞の機能分化に関する研究 : 仔牛胸腺ホルモンを用いての検討
- 前駆T-細胞の成熟・分化に与えるヒト胎児胸腺ホルモンの影響 : 子宮頚癌患者を対象として
- Leucocyte Adherence Inhibition testを用いた卵巣癌の免疫学的診断に関する研究
- 177. 卵巣癌の予後判定に関する研究 : 細胞性免疫学的手法を用いて
- 174. 頚癌患者における免疫不全状態の病態解析に関する研究 : ヒト胎児より抽出した胸腺ホルモンを用いての研究
- 卵巣癌の診断に対する細胞性免疫学的アプローチ : 患者末梢血中における血清の免疫抑制効果を指標として
- 卵巣癌の診断に対する細胞性免疫学的アプローチ : 癌塊周辺と末梢における非特異的免疫抑制因子の濃度勾配の対比
- 当科における子宮内膜症性嚢胞の保存手術に関する検討
- 当院における28週未満の破水症例の予後に関する検討
- 当院における品胎妊娠44例の検討―双胎妊娠とのリスクの比較―:―双胎妊娠とのリスクの比較―
- 当科における27週未満早産症例の帝王切開法とその短期予後
- 塩酸リトドリン,硫酸マグネシウム併用投与例における母体血清アミラーゼ,CPK値について