婦人科癌患者末梢血単核細胞のLAK活性誘導に及ぼす癌性腹水およびOK-432添加の影響
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概要
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癌性腹膜炎患者に対する lymphokine-activated killer cell (LAK細胞)の腹腔内投与の臨床応用に際し, 患者腹水がLAK活性および細胞増殖に及ぼす影響を検討する必要がある. また併せて LAK細胞誘導系に OK-432を添加することの意義を明らかにすべく以下の検討を行なつた. 1. LAK細胞誘導系に6例の癌患者から採取した腹水を種々の割合で添加したところ, 自己癌性腹水を10%まで添加した場合はLAK活性の誘導を増強した. しかし, それ以上添加した場合は一定の傾向を認めず, 6例中2例は40%以上の添加によつてLAK活性の誘導が抑制された. 健常人の末梢血単核細胞 (PBMC) を試料としたLAK細胞誘導系に患者腹水を添加したところ, 健常人8例のLAK活性は抑制されなかつたが培養後の細胞数は添加量が増すにつれて減少した. 2. 健常人のPBMCよりLAK細胞を誘導する系に各種濃度の OK-432を添加したところ, 0.01〜0.04KE/mlのOK-432添加時には, rIL-2単独の添加時とほぼ同程度のLAK活性の誘導を認めた. また細胞数は非添加時に比較して増加する傾向があつた. しかし0.1KE/mlのOK-432添加時にはLAK活性は著明に低下した. 以上より, 養子免疫療法として腹腔内へLAK細胞およびrIL-2を投与する際に, 腹水の存在がその作用を強力に抑制するものではないと考えられた. また, 低濃度のOK-432とrIL-2との併用はLAK活性には影響はなく, 培養後の細胞数を増加させたことから, OK-432を腹腔内ヘ投与した後に, 腹水中ヘ多数出現するリンパ球に対してrIL-2を作用させることにより, rIL-2単独投与の場合よりもより多様で多数の細胞に細胞障害活性を誘導できる可能性が示唆された.
- 1991-06-01
著者
-
梅咲 直彦
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
金岡 靖
大阪市大
-
梅咲 直彦
和泉市立病院
-
金岡 靖
大阪市立大学医学部産科婦人科
-
金岡 靖
大阪市立大学 大学院医学研究科女性病態医学(産科婦人科学)
-
金岡 靖
大阪市立大学 産婦人科
-
梅咲 直彦
大阪市立大学
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