微量全血培養法による細胞性免疫能の新測定法の確立
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概要
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従来より細胞性免疫能の in vitro assay として, 末梢血から分離したリンパ球の幼若化を形態学的に観察する方法や, ^3H-Thymidine, ^3H-Uridine の核酸への取り込みで測定しようとする方法がある. しかしながら, これらの方法 (conventional method) は末梢血からのリンパ球の分離と, その細胞数調整という人工的操作を加えるため, in vivo の細胞性免疫能を忠実に反映しているとは考え難い. そこで著者らは, Park ら(1972)の報告した全血培養法を基に詳細なる基礎的検討を行ない, 幅広い臨床応用を目的とした微量全血培養法を新しく開発した.〔1〕リンパ球の幼若化判定には, ^3H-Thymidine の incorporation を liquid scintillation counter にて測定した.〔2〕培養液としては, TC199, Eagle MEM, F-10, RPMI-1640の内でRPMI-1640が最適として採用された.〔3〕培養血液量は, 培養全液(血液+medium) 1ml中に含まれる血液量0.025ml, 0.05ml, 0.1ml, 0.2mlのうち0.05mlが最適量であった.〔4〕Mitogenとして, PHA-P (phytohemagglutinin-p, Difco) を用いたが至適濃度は, 20μg/tubeであった.〔5〕リンパ球増殖の動態, 培養時間および^3H-Thymidine label の詳細な検討の結果, 24時間の前培養を行ない, その後24時間のlabellingが, 最適な条件と判定した.〔6〕上記の培養系における^3H-Thymidine の incorporation は, 末梢血中のT-cell の機能を忠実に反映するものであり, in vitro で培養中に分裂, 増殖したリンパ球の活性を測定しているのではないことを確認し得た. 以上の方法を用い, 多くの症例において, 末梢血内リンパ球の機能をうかがい, 本法の有用性を認めた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1974-06-01
著者
-
海野 隆彦
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
迫 久男
大阪市立大学 産婦人科
-
山片 重房
大阪市立大学
-
山片 重房
大阪市立大学医学研究科産婦人科学
-
須川 佶
大阪市立大学
-
中森 宏
大阪・和泉市立病院
-
中森 宏
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
-
植田 勝間
大阪市立大
-
梅咲 直彦
大阪市立大学
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