TA-4による子宮頚部扁平上皮癌再発の予知

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子宮頚癌21症例について、再発時のTA-4とCEAの血中動態を、治療前値、再発部位との関連で検討し、これらの動態分析から再発予知の可能性を考察した。再発時の血中TA-4、CEA動的パターンは、血中TA-4上昇が血中CEA上昇に先行するI型、血中TA-4とCEAがほぼ同時期に上昇するII型、血中CEA上昇が血中TA-4上昇に先行するIII型、ならびに血中TA-4、CEAがいずれも上昇を示さないIV型に分類される。21例の血中腫瘍マーカー動的パターンは、それぞれI型11例(52.3%)、II型2例(9.5%)、III型2例(9.5%)、IV型6例(28.6%)であった。再発時の血中陽性率はTA-4 66.7%(14/21)、CEA 23.8%(5/21)であり、平均血中値はTA-4 22.2±38.2ng/ml、CEA 4.8±9.2ng/mlであった。再発部位別の陽性率と平均血中値は、局所・骨盤内再発時の場合、TA-4 61.5%(8/13)、9.4±12.1ng/mlであったのに対し、CEA 15.4%(2/13)、4.3±10.2ng/mlであり、一方、遠隔再発時の血中陽性率と平均血中値はTA-4 75.0%(6/8)、43.1±55.7ng/mlであったのに対し、CEA 37.5%(3/8)、5.7±7.7ng/mlであった。治療前値陽性例での再発血中陽性率は、TA-4の場合100%(9/9)、CEAで40.0%(4/10)であったが、治療前値陰性例での再発時血中陽性率は、TA-4の場合40.0%(2/5)であったのに対し、CEAでは9.1%(1/11)であった。再発例中、これら腫瘍マーカーの血中値上昇が臨床所見出現に先行したのは、TA-4では61.9%(13/21)、CEAでは19.0%(4/21)であり、その平均先行日数はそれぞれTA-4 77.9日、CEA 60日であった。従って、子宮頚癌治療後の血中TA-4レベルの追跡は、治療前値陽性例のみならず、治療前値陰性例の再発予知に際して非常に有用であると考えられる。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1987-05-01

TA-4による子宮頚部扁平上皮癌再発の予知

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