子宮頚部扁平上皮癌細胞(CaSki)のTA-4生成, 分泌制御機構における細胞内刺激伝達系の役割
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概要
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子宮頚部扁平上皮癌細胞のTA-4産生, 分泌制御機構における, 細胞内刺激伝達系の役割を解明するため, 頚部扁平上皮癌細胞株 (CaSki) 培養系に3種の細胞内刺激伝達系 (diacylglycerol-C-kinase系, Ca^<2+>-calmodulin系ならびにcAMP-A-kinase系) におけるそれぞれの賦活物質であるphorbol 12 myristate 13-acetate (PMA), Ca^<2+> ionophore A23187, cholera toxinを添加し, 培養細胞内ならびに培養液内TA-4濃度に及ぼす影響を検討した。その結果, PMAならびにCa^<2+> ionophore A23187の単独添加によって, 培養細胞内ならびに培養液内TA-4濃度は添加開始後3時間より用量依存的に増加した。しかし, cholera toxinの添加では培養細胞内ならびに培養液内TA-4濃度は増加しなかった。また, PMAとCa^<2+> ionophore A23187の同時添加に伴う培養細胞内ならびに培養液内TA-4濃度の増加は, PMAあるいはCa^<2+> ionophore A23187の単独添加時の増加に比較して差を認めなかった。一方, PMAとcholera toxinの同時添加系ではPMA単独添加時にみられた培養細胞内ならびに培養液内TA-4濃度の有意な増加は認められなかった。以上より, 頚部扁平上皮癌細胞 (CaSki) におけるTA-4産生, 分泌制御の細胞内刺激伝達機構では, Ca^<2+>-calmodulin系とDG-C-kinase系がそれぞれ主動的役割を担うが, Ca^<2+>-calmodulin系とDG-C-kinase系はTA-4産生, 分泌に対して類似の作用チャンネルで機能することが推察された。一方, A-kinase系はDG-C-kinase系によるTA-4産生, 分泌の促進的制御に対して抑制的に機能することが示唆された。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1992-04-01
著者
-
丸尾 猛
神戸大学医学部産科婦人科学教室
-
望月 眞人
神戸大学医学部産科婦人科学教室
-
望月 眞人
神戸大学医学部産婦人科
-
松尾 博哉
神戸大学医学部産科婦人科学教室
-
西野 理一郎
神戸大学医学部産科婦人科学教室
-
松尾 博哉
神戸大学医学部産科婦人科学講座
-
西野 理一郎
兵庫県立こども病院周産期医療センター
-
松尾 博哉
Graduate School Of Health Sciences Kobe University
-
松尾 博哉
神戸大学医学部保健学科
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