殺菌剤グアザチンのガラス表面での光分解
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概要
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殺菌剤グアザチン・三酢酸塩(TA)の^<14>C-標識体を約0.5μg/cm^2の割合でガラス表面に薄膜状に塗布し, これに陽光ランプを照射したところ, ^<14>C-グアザチン・TAは見かけ上, 二相性の反応に従って比較的すみやかに分解した(第一相のT_<1/2>=40時間, 第二相のT_<1/2>=912時間).^<14>C-グアザチンの分解にともない, 主光分解物(Pm)と約8種の微量光分解物が生成した.照射336時間後におけるPmと微量光分解物(総計)の生成量はそれぞれ31%と38%(^<14>C-グアザチン・TA相当量)であった.自然太陽光の照射による^<14>C-グアザチン・TAの光分解は, 質的・量的に陽光ランプによるものと同一とみなしうるものであった.Pmは, そのグアニジン基をピリミジン誘導体としたのち機器分析(GC-MS, IR, ^1H NMR)を行ない, グアザチンの4位のメチレン基が光酸化によりカルボニル基となり, さらに3位または5位のメチレンがメチル化された物質と同定された.また微量光分解物中の一種として, 1個のメチレンがカルボニル基に光酸化された物質が同定され, これはグアザチンからPmを生成する過程での中間体と考えられた.
- 日本農薬学会の論文
- 1985-02-20
著者
-
加藤 保博
財団法人残留農薬研究所化学部残留第2研究室
-
牧 伸一
Chemistry Division, The Institute of Environmental Toxicology
-
牧 伸一
Chemistry Division The Institute Of Environmental Toxicology
-
加藤 保博
Metabolism Laboratory-i Chemistry Division The Institute Of Environmental Toxicology
-
俣野 修身
残留農薬研究所
-
後藤 真康
Chemistry Division, The Institute of Environmental Toxicology
-
俣野 修身
Institute of Environmental Toxicology
-
後藤 真康
Institute of Environmental Toxicology
-
佐藤 清
Institute of Environmental Toxicology
-
加藤 保博
Institute of Environmental Toxicology
-
牧 伸一
Institute of Environmental Toxicology
-
後藤 真康
The Institute Of Environmental Toxicology Mitsukaido Inst.
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