高速液体クロマトグラフィーによる作物中の全臭素の分析法
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概要
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高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の溶離液に紫外吸収をもつフタル酸水素カリウム溶液を用い, カラムから溶出した紫外吸収をもたない臭素イオンを吸光度の減少として検出する方法により作物中の全臭素の分析法を検討した.試料にエタノールアミン+エタノール+水酸化ナトリウム混液を加え, 水浴中で乾固したのち, 熱板上で炭化する.さらに電気炉中で灰化後, 臭素イオンを水で抽出し, 水酸化バリウム溶液を加えて妨害イオンを除去後, 陽イオン交換カラムで精製しHPLCで測定する.HPLCのカラムはMCI GEL SCA 02, 溶離液は5×10^<-4>Mフタル酸水素カリウム溶液, 検出波長は245nmである.臭素イオンの最小検出量は34ngであり, 検量線はピーク高さと注入量(34∿673ng)の間で良好な直線を示し, また, 繰り返し測定の再現性も良好であった.検出限界は0.7∿3ppm, 回収率(添加濃度 : 14∿67ppm)は73∿91%であった.本法によれば臭素イオンは通常のHPLC装置で分析でき, また, 選択的で操作が簡便であり, 臭化メチルで処理した作物中の全臭素の分析に適用可能である.
- 日本農薬学会の論文
- 1986-11-20
著者
-
俣野 修身
残留農薬研究所
-
後藤 真康
Chemistry Division, The Institute of Environmental Toxicology
-
俣野 修身
Institute of Environmental Toxicology
-
後藤 真康
Institute of Environmental Toxicology
-
志賀 直史
残留農薬研究所
-
志賀 直史
Institute of Environmental Toxicology
-
島村 裕二
Institute of Environmental Toxicology
-
後藤 真康
The Institute Of Environmental Toxicology Mitsukaido Inst.
-
島村 裕二
残留農薬研究所化学部
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