殺菌剤グアザチンのイヌリンゴにおける浸透, 移行と代謝
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
殺菌剤グアザチン・三酢酸塩の^<14>C-標識体をイヌリンゴの葉および果実の表面に処理し, その浸透・移行・移動性ならびに代謝を実験室内で調査した.葉面処理された^<14>C-標識体の処理部からの移動は認められなかった.また, 処理葉から, 果実ならびに処理後に発生した新葉へのシンプラスト移行性も無視しうる程度でしかなかった.処理葉からの^<14>Cの消失速度はきわめて遅く(T_<1/2>=67週), 処理12週後でも処理量の87%の^<14>Cが残留していた.処理葉および処理果実のいずれにおいても, 大部分の^<14>C-グアザチンは処理部表面に未変化のまま付着しており, 植物体内部への浸透性はきわめて低かった.処理グアザチンの一部は植物体表面上で光分解を受け, 数種の光分解物が生成した.植物体内に浸透した^<14>Cの主体は未変化のグアザチンであったが, 光分解物の浸透も認められた.しかし, 植物体内に浸透したこれらの化合物はほとんど代謝されなかった.
- 日本農薬学会の論文
- 1985-02-20
著者
-
加藤 保博
財団法人残留農薬研究所化学部残留第2研究室
-
牧 伸一
Chemistry Division, The Institute of Environmental Toxicology
-
牧 伸一
Chemistry Division The Institute Of Environmental Toxicology
-
俣野 修身
残留農薬研究所
-
後藤 真康
Chemistry Division, The Institute of Environmental Toxicology
-
後藤 真康
The Institute Of Environmental Toxicology Mitsukaido Inst.
関連論文
- 加工および調理による小麦試料中残留農薬の濃度変化
- 土壌中における除草剤ペントキサゾンの微生物分解
- 酢酸グアザチンとフルクトースのアルカリ溶液中での反応
- 日本の河川底質より分離したアトラジン無機化活性を有する微生物コロニー : その分解酵素とNocardioides sp.を主体とする種構成
- 加工および調理による米試料中残留農薬の濃度変化
- 除草剤ACN (quinoclamine)および代謝物の分析法ならびに土壌中における消長
- 加工および調理による大豆試料中残留農薬の濃度変化
- 雌雄ラットおよびマウス肝ミクロゾームにおけるメトキシクロルの酸化的脱メチル化反応の比較
- B108 河川底質より単離したアトラジン無機化活性を有する微生物共同体の分解酵素と種構成
- B107 河川底質より単離したアトラジン分解性Nocardioides sp.の特徴