1-(α, α-Dimethylbenzyl)-3-(p-tolyl) urea(ダイムロン)のラット尿中代謝物の同定

概要

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尿素系除草剤ダイムロン[1-(α, α-Dimethylbenzyl)-3-(p-tolyl)urea]の尿中代謝物を, Wistar系雄ラットを用い, カルボニル-^<14>C-ダイムロン(100 mg/kg)の1回腹腔内投与で検討した.投与48時間以内に尿中に投与量の77%が排泄された.尿を塩基性および酸性条件下でエーテル抽出し, 塩基性, 酸性および水溶性分画とした.各分画中には尿排泄量のそれぞれ4.3, 86.8, 8.9%が回収された.tlc分析の結果, 塩基性分画に5種, 酸性分画に3種の代謝物が検出されたが, 主代謝物は酸性分画に存在し, 尿排泄量の85%を占め, tlc上で1-(α, α-Dimethylbenzyl)-3-(p-carboxyphenyl)urea(カルボキシーダイムロン)とRf値が一致した.この主代謝をさらにダイムロンの10日間連続腹腔内投与(100 mg/kg/day)のラット尿中から結晶として単離し, NMR, IR, MSスペクトルで解析した結果, カルボキシ-ダイムロンと同定した.一方, 酸性分画中の微量代謝物の一種は, tlcにより, p-carboxyphenyl ureaと推定された.以上の結果から, ラットにおけるダイムロンの代謝は, 芳香環のメチル基の酸化が主経路であると考えられる.
日本農薬学会の論文
1979-02-20