DBCP のラットにおける代謝
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概要
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1, 2-dibromo-3-chloropropane-3-^<14>C(^<14>C-DBCP)の雄ラットにおける動態を20mg/kgの1回経口投与系で調査した.吸収率は99%以上であり, 活発に代謝されて48時間で投与量の84.9%が尿, 胆汁, 呼気に排泄される.呼気中への主排泄形態は二酸化炭素であり, 微量成分としてDBCPも検出された.尿中からは分子量約500と推定される両性的な, またニンヒドリン反応性を有する複数の抱合体が主代謝物として検出されたほか, 10種の微量代謝物が検出された.一方DBCPは尿からは検出されなかった.体内分布に関しては, 腎臓, 肝臓に偏在性が見られるが, その他の組織でも血漿レベルを上まわる^<14>C組織濃度が検出された.組織中^<14>Cの存在様式を明らかにするためDBCP, 有機溶媒可溶性代謝物, 同不溶性残渣の三つに分けて主要組織中の^<14>Cを分析した.組織中^<14>Cの主形態は有機溶媒不溶性の物質であり, 腎臓, 肝臓中でとくに顕著に認められる.第2の形態は有機溶媒可溶性代謝物であり蓄積的であった.DBCPは脂肪組織を除いて組織中^<14>Cのごくわずかな部分を占めるにすぎず脂肪組織中でのみ蓄積的であった.
- 日本農薬学会の論文
- 1979-05-20
著者
-
俣野 修身
Institute of Environmental Toxicology
-
後藤 真康
Institute of Environmental Toxicology
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佐藤 清
Institute of Environmental Toxicology
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加藤 保博
Institute of Environmental Toxicology
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牧 伸一
Institute of Environmental Toxicology
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