1-(α, α-dimethylbenzyl)-3-(p-tolyl) Urea(ダイムロン)のラットにおける排泄系と代謝
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概要
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尿素系除草剤ダイムロン[1-(α, α-dimethylbenzyl)-3-(p-tolyl)urea]の吸収, 排泄をWistar系雄ラットを用いcarbonyl-^<14>C-ダイムロン(50mg/kg)の1回経口投与で調べた.^<14>Cの排泄はすみやかで48時間以内に尿および糞中に投与量のおのおの34, 66%が見いだされ, 120時間後には調査した全組織ともに検出限界以下となった.糞中への高い排泄率は活発な胆汁排泄に起因するものであり48時間で経口投与量の40%が胆汁中へ排泄された.静脈内投与(124μg/kg)では投与量の42%が胆汁中に排泄されまた胆汁排泄量の24%が腸肝循環により再び胆汁中に排泄された.これら尿, 胆汁排泄系の外にダイムロンは腸管からも分泌排泄されてた.経口投与におけるダイムロンの吸収率は胆管カニュレートしたラットの尿および胆汁中への排泄率の和に消化管からの分泌排泄率を加えたものであり69%以上と推定される.ダイムロンはラット体内で容易に代謝され尿中に7種以上, また胆汁中にグルクロン酸抱合体を含む代謝物の形で排泄される.糞中からは未変化物のほか数種類の代謝物が検出された.TLC分析の結果から尿中の主代謝物は1-(α, α-dimethylbenzyl)-3-(p-carboxyphenyl)ureaと推定された.また微量代謝物としてp-toluidineがECDガスクロマトグラフィーにより尿中から検出されるとともに呼気中に投与量の0.06%以下の微量の^<14>CO_2の排泄が観察された.
- 日本農薬学会の論文
- 1978-02-20
著者
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俣野 修身
Institute of Environmental Toxicology
-
後藤 真康
Institute of Environmental Toxicology
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佐藤 清
Institute of Environmental Toxicology
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加藤 保博
Institute of Environmental Toxicology
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白須 泰彦
Institute of Environmental Toxicology
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平野 雅祐
Institute Of Environmental Toxicology
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