雌雄ラットおよびマウス肝ミクロゾームにおけるメトキシクロルの酸化的脱メチル化反応の比較
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概要
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メトキシクロル(MXC)のラット代謝における代謝物プロファイルの性差の解明を目的とし,雌雄ラットおよび比較のために雌雄マウスの肝ミクロゾームを用いてMXCおよびそのモノ脱メチル体((R)-および(S)-mono-OH-MXC)の酸化的O-脱メチル化の酵素反応速度解析を行った.Eadie-Hofstee解析ではMXCおよびmono-OH-MXCの脱メチル化反応は,それぞれ2および1酵素モデルに従った.キネティクパラメータの比較により,MXC代謝の性差は脱メチル化酵素の活性(固有クリアランス,CL_<int>=V_<max>/K_m,により比較)の差によることが明らかとなった.すなわち,雄ラットではMXCの両方のメチル基が効率的に脱メチル化されジ脱メチル体(bis-OH-MXC)へと急速に代謝されるが,一方,雌ラットでは脱メチル化活性が雄に比べ低く,加えてこの反応によりさらに脱メチル化を受けにくい(S)-mono-OH-MXCを立体選択的に生成することから,(S)-mono-OH-MXCが主要代謝物の一つとして検出されると考えられた.また,マウスにおけるCL_<int>の性差はラットと比較して僅かであり,脱メチル化反応に顕著な性差は認められなかった.
- 日本農薬学会の論文
- 2006-05-20
著者
-
加藤 保博
財団法人残留農薬研究所化学部残留第2研究室
-
薩摩 孝次
財団法人残留農薬研究所化学部
-
大山 和俊
Metabolism Laboratory-I, Chemistry Division, The Institute of Environmental Toxicology
-
佐藤 清
Metabolism Laboratory-I, Chemistry Division, The Institute of Environmental Toxicology
-
加藤 保博
Metabolism Laboratory-I, Chemistry Division, The Institute of Environmental Toxicology
-
大山 和俊
Metabolism Laboratory-i Chemistry Division The Institute Of Environmental Toxicology
-
加藤 保博
Metabolism Laboratory-i Chemistry Division The Institute Of Environmental Toxicology
-
佐藤 清
財団法人残留農薬研究所化学部
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