炊飯米の光沢と表面構造 : 品種の食味品質と関連Lて

概要

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炊飯米の表面及び切断面の断面構造を走査型電子顕微鏡で観察した。米飯の表面構造は,平滑面と粗面(凹凸面)の2つの部分からなっている。食味の良い品種は,米飯表面上の平滑面の割合が大きく,粗面部分の突起の高さが低い傾向がみられる。食味の良い品種は,光沢評価のスコアが高いが,光沢の良いことは米飯表面の平滑面割合の高いことによるとみられる。粗面部分の突起の高さも,光沢に関係している可能性がある。一方,米飯の切断面の断面構造の観察によって,食味の良い品種では,組織の崩壊度が大きい傾向がみられる。これは,光学顕微鏡による観察結果(斎藤ら,1961;岡崎ら,1966)と一致している。このようた内部構造の特徴が,舌・歯ざわりたどの口内器官の刺激の点で食味良の評価をうけることに結びつくとみられる。また,胚乳組織の細胞の崩壊の程度は,表面構造の平滑度とも関係を持っているようにみられる。光沢は,供試品種すべてで開釜後の時間の経過とともに低下するが,特に陸稲戦捷での低下が顕著であった。炊飯米の表面構造及び切断面の断面構造と従来おこなわれてきた炊飯米の理化学的'性質・デソプソ組成との関係について考察を進めた。
日本育種学会の論文
1980-03-01