アブラナ属とその近縁属における核容積、核DNA含量と放射線感受性
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概要
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核容積、核DNA含量の両者のうち、いずれが放射線感受性とより密接に関係しているかを明らかにしようとした。そのため、Brassica campestris, B.oleraceaおよびB.napus(A〜Cゲノム種)の2倍体、4倍体の系統間、Brassica属の種間、十字花科の属間で、上記の核形質を比較した。一方、このような互に近縁の系統間、種間、属間における放射線感受性の差を明らかにするために、γ線照射を受けた種子を寒天培地上におき、グロースチェンバー内で育て、根の生育阻害の程度により、放射線感受性を測った。実験結果は、全観察材料を通じて、染色体当りの平均DNA含量と放射線感受性との間にきわめて密接な相関関係が存在することを示した。一方、休止核における推定染色体容積はこの染色体当りの平均DNA含量のように密接には放射線感受性と相関関係を持たなかった。実験結果はまた、倍数性植物のDNA含量とそれらの放射線感受性についての情報を含んでいる。人為的に染色体を倍化されただけで選抜を受けなかった4倍体植物の核DNA含量は、それらの成立のもとになった2倍体植物の核DNA含量の和(異質倍数体のとき)あるいは2倍(同質のとき)に一致していた。ところが、4倍体の栽培植物の場合には、それらが異質の場合でも同質の場合でも、DNA含量が基本植物のDNA含量の和(異質のとき)や2倍(同質のとき)に比べてかなり減少していることが認められた。そして、このDNA含量の減小はそれに見あう程度の放射線感受性の減小を伴っていた。
- 日本育種学会の論文
- 1969-10-31
著者
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