トウモロコシの光合成のヘテローシス
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
長野県農業試験場桔梗ケ原分場(理長野県総合於業試.験場中信地方試験場)より種子を分譲されたトウモロコシの自殖系統.および単交配雑種,自然交配品種,品種問交配雑種,(第1表)を,1970年仙台にて温室で育て,第8〜9葉のC0_2取込み速度を,温室25℃,照度8万ルックス(白熱燈,25cm水フィルター)下で比較した。ヘテロ接合型(単交配,品種間交配,自然交配品種)は,ホモ接合型である自殖系統に比し,単位葉面積当たりの光合成速度(P_A)が顕著に高かったので光利用効率が高いと言える。ヘテロ接合型のP_Aが高いことには,ヘテロ接合型の単位葉面秩当たりの窒素,クロロフィル,乾物含量が比較的高いことが,ある程度は関係していると見られる(第1図)。次に,単位葉窒素当たりの光合成速度(窒素効率),単位クロロフィル当たりの速度(クロロフィル効率),単位葉乾物当たりの速度(乾物効率)は,自殖系統内,ヘテロ接合型内でみると単位葉面積当たりの窒素,クロロフィル,乾物含量が増した場合,それぞれ減少する傾向を示した(第2〜4図)。この傾向を考慮に入れて,自殖系統とヘテロ接合型とを比較すると,ヘテロ接合型の窒素,クロロフィル,乾物効率は自殖系統べ顕著に高いと言える(第2〜4図)。ヘテロ接合型の高P_Aは,ヘテロ接合型の高い窒素,クロロフィル,乾物効率によるところが大きいようである。
- 1979-06-01
著者
関連論文
- イタリアンライグラスの採種栽培に関する研究 : I.窒素施用量・分施割合および追肥時期
- 第3回アジア大洋州育種学会(SABRAO)国際学会に出席して-2-収量向上の生理について(育種通信)
- Atriplex triangularis(C_3)とA.rosea(C_4)の正逆種間雑種および後代の光合成特性
- アブラナ属ならびに近縁属植物における耐塩性の種間差異:光合成反応を中心として
- (75) 細胞・組織・器官形態の遺伝変異と植物の生長 I.アブラナ属各種の葉面積比と生長率 : 日本育種学会第28回講演会講演要旨 : 一般講演
- 炭酸ガス低濃度域でのC_3型植物葉の光合成特性
- 炊飯米の光沢と表面構造 : 品種の食味品質と関連Lて
- 42 低CO_2濃度域における光合成特性
- 細胞・組織形態の遺伝変異と植物生長 : I.生長点細胞・柵状細胞の大きさと生長率
- (61) 細胞・組織・器官形態の遺伝変異と植物の生長. : II. 生長率を異にするアブラナ属各種の生長点ならびに栄養器官の細胞の大きさについて : 日本育種学会第28回講演会講演要旨 : 一般講演
- 栽培小麦と近縁野生植物の葉の内部構造と葉光合成率
- 栽培小麦種と近縁野生植物の種々の空気流量,光強度水準下における葉光合成と葉蒸散
- 葉光合成ならびに関連葉形質についての栽培小麦種と近縁野生植物の進化傾向
- 41 ミルクラインを利用したサイレージ用トウモロコシの子実熟度の推定
- トウモロコシの光合成のヘテローシス
- 異なった土壌水分条件における光合成速度および葉水分バランスのイネ品種間差異
- イネ品種の空気湿度に対する葉光合成反応と導管断面積の大きさ
- 葉群の光合成率を最大にする単葉の葉面当りの最適窒素含量 : 稲での試算
- 稲系統の葉光合成率の葉窒素含量に対する曲線回帰
- オオムギとコムギの葉のねじれと葉面の傾き
- 湿潤および乾燥条件下におけるイネの光合成効率と葉面積当たり葉窒素含量の品種間差異
- 乾燥および湛水条件における剪葉処理がイネ品種の光合成パラメータおよび収量構成要素におよぼす影響
- 低温処理に対するイネ品種の光合成反応 : 特に葉におけ可溶性糖とでんぷんの蓄積に関連して
- 水稲苗の低温活着性とその品種間差異
- 数種作物におけるクロロプラストの大きさ, 形および細胞壁に接する割合
- 第3回アジア大洋州育種学会(SABRAO)(収量向上の生理について)
- 日本の陸稲品種の系統分類
- 西パキスタン栽培小麦6品種の葉光合成、葉蒸散率の差異
- アブラナ属とその近縁属における核容積、核DNA含量と放射線感受性
- 品種の形態、生態と物質生産
- 作物品種の多収性の生育解析的研究 : V.根系の発達