糠みそ漬けに卵殻を用いることの効果について

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概要

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熟成が進んだ糠床に卵殻を混合することの効果について基礎実験を交えて検討した結果を要約すると次のようになる。1) 卵殻は食酢液中では容易に溶解して, Ca量を増加させ, pHを高める。2) 卵殻混合食酢液に浸漬したピクルスは対照より緑色を保ち, Ca量が増加し, 硬くなる。しかし, 食塩が加わると硬さは対照と変わらない。3) ピクルスについての官能検査の結果, 卵殻混合-食塩・食酢液に浸漬した方が対照より緑色があざやかで酸味がまろやかで好まれる。4) pHが低下した糠床に卵殻を混合すると, 糠床中のCa量が増加し, pHを高め, 漬けたきゅうりは対照より緑色を保ち, 浸透するCa量が増加するが, 硬さは対照と変わらない。5) 糠床の水分中に糖および卵殻より移行したCaの80%強はイオン態である。6) 糠みそ漬けきゅうりについての官能検査の結果, 卵殻を混合した方が対照より, 緑色があざやかで, 好まれる。
日本調理科学会の論文
1986-07-20

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