魚介類およびその料理に対する全国保育園児の嗜好とそれに影響する要因

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全国16都市で,保育園児(3〜6歳)1,418名とその母親に魚介類およびその伝承料理に対するアンケート調査を行った。 (1) 魚介類に対する幼児の嗜好では,大好きおよび好きが68.5%を占め,魚介類は幼児に好まれていた。幼児の年齢が高いほど,魚介類を好む割合は小さくなった。幼児の性別による嗜好には違いがみられなかった。地域別に幼児の嗜好をみると,都市部の幼児は魚介類を好む割合が内陸部に住む幼児より大きかった。幼児の嗜好は,母親の嗜好(r=0.400),夕食の食卓に上がる頻度(r=0.194),無調理の得意度(r=0.176),幼児の年齢(r=0.097),地域別(r=-0.080),家族構成(r=-0.059)が関連した。幼児の嗜好には母親の嗜好が最も大きく影響した。母親の嗜好には,魚介類調理の得意度(r=0.325),母親の年齢(r=-0.060)も関連し,食卓に上がる頻度には,調理時間が関与した。 (2) 魚介類が嫌いな幼児では,骨があって食べにくい,味・匂いが嫌いの理由が多かった。 (3) 幼児が好む魚の調理法は,焼く84.8%,煮る65.2%,生61.6%の調理法であった。年齢とともに好まれる割合の大きくなる調理法は生で,逆に好まれる割合が小さくなるのは煮る,焼くであった。揚げる調理法は,女児よリ男児に好まれた。煮るおよび生の調理法は,母親の無調理の得意度および食卓に上がる頻度が影響した。 (4)幼児の50%以上が好む魚種は,あさり,えび,かに,いかで,30%以上の幼児はしらす,まぐろ,さけ・ます,さんま,あじ,かれいを好んだ。都市別にみると,好む魚種に違いがみられた。 (5)幼児の好む伝承料理は,貝類の汁物,立田揚げ,照焼,すし,てんぷら,蒲焼きで,60.0%以上の幼児が好んだ。 (6)流通が発達した現在でも,魚介類に対する幼児および母親の嗜好,幼児の好む調理法,魚種および伝承料理には地域による違いがみられた。
2001-05-20

魚介類およびその料理に対する全国保育園児の嗜好とそれに影響する要因

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