超音波ピンガーを用いた昭和基地周辺海氷下の魚類の行動観測機器の開発
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概要
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極域での動物行動解析はデータロガーなどを用いた大型動物の例は多くあるが, 魚の行動解析の例はほとんどない。そこで南極昭和基地周辺海氷下における魚の行動を解析する目的で, 超小型超音波発信器(ピンガー)を用いた観測機器を開発した。一般に用いられるピンガーは, 動物の生理的情報のデータを得るために大型である。また魚の遊泳深度はピンガーに深度センサを付け, その情報から得ている。しかし, これらセンサ付きピンガーをショウワギスに装着するには大きすぎる。そのため, 深度センサの無い超小型ピンガーを用いて魚の立体位置を測定できる観測機器を開発した。観測機器は, ピンガーとテレメーターシステム, パーソナルコンピュータで構成される。テレメーターシステムは, 8つの子局と1つの親局で構成される。子局は超音波トランスデューサ, 超音波送受信機, 電波送受機, アンテナ, 制御回路(4ビットCPU)で構成される。魚に取り付けたピンガーからの超音波信号は, トランスデューサを経て超音波送受信機に受信され, 電波送受信機により親局へ電波テレメトリーされる。親局は, 電波送信1チャンネル, 電波受信8チャンネル, 制御回路(カード型8ビットコンピュータ)で構成される。電源100 VAC。アンテナは室外にセットする。電波受信ユニットで各子局のパルス信号間の時間差を測定し, RS232Cでパソコンに転送する。パソコンは受信時間差からピンガーの立体位置を計算し, 表示・保存を行う。この観測機器を用いて第34次南極観測隊(1992-1994)でショウワギス(Trematomus bernacchii)の行動を24時間以上連続で計9回の観測を行った。そして, その行動の基礎的データを収集することができ, この観測機器が海氷下での行動観測に有効であることが確認できた。
- 国立極地研究所の論文
著者
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谷村 篤
三重大学生物資源学部
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宮本 佳則
東京水産大学
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濱田 悦之
東京水産大学漁船計器学研究室
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谷村 篤
国立極地研究所
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宮本 佳則
東京水産大学漁業工学講座
-
韓 軍
東京水産大学漁業工学講座
-
濱田 悦之
東京水産大学 海洋生産学科
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韓 軍
東京水産大学
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濱田 悦之
東京水産大学
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宮本 佳則
東京水産大学海洋生産学科
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