昭和基地周辺の湖沼における栄養塩およびDOCの鉛直分布(英文)
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概要
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1977年1月から2月にかけて昭和基地周辺の淡水湖および塩湖における栄養塩と溶存有機炭素(DOC)を測定した。淡水湖の大池とスカーレン大池における栄養塩濃度は低く, 表層から底層までほぼ一定であった。塩湖のぬるめ池とすりばち池は共に不完全循環湖であり, 10m以深の無酸素層ではリン酸塩とアンモニア態窒素が著しく濃縮していた。これらの栄養塩はおそらく湖底堆積物から有機物の分解により供給されたものと推察される。淡水および塩湖におけるDOC濃度は, それぞれ0.84-2.84mg/l, および1.63-1.86mg/lの範囲を示し, 最も高い値は舟底層に見いだされた。塩湖において塩化物イオンとDOC濃度に相関性が見られたことは起源水とされる海水が低温下において濃縮する過程で溶存有機炭素も蓄積することが示唆された。
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