微生物の油脂生成(第 6 報) : FH 菌の生成するリパーゼに就て(農芸化学部門)

概要

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油脂生合成の顕著なFH菌の生成するリパーゼについてその抽出精製方法について検討し, 精製酵素について二, 三の性質を調べた。(1)麩培養物よりのリパーゼの抽出はpH7.0燐酸塩緩衝液が最も有効であつた。(2)硫安0.3∿0.6飽和度における塩析とアセトン濃度30∿50%における分別沈澱を繰返して酵素の精製を行ない, 約13倍に濃縮精製し得た。(3)精製酵素は作用最適pHは5∿6,安定pH4∿5,熱に対しては40℃までは安定であり, (Ca)^<++>により強く賦活され, 又(Zn)^<++>, (Co)^<++>, (Mn)^<++>によつても若干賦活される。又(Ag)^+, (Pb)^<++>, (Hg)^<++>によつては強く阻害される。(4)天然植物油とくにPeanut oil, Sesame oilをよく分解するが, Tween-20,Tri-n-butylin, Tri-acetin等には殆ど分解作用を示さず従つてエステラーゼ作用は殆ど有しない。
京都府立大学の論文
1962-09-01