Penicillium caseicolumによる半硬質白カビチーズの熟成に関する研究(第1報) : 半硬質白カビチーズの風味成分,揮発性カルボニル化合物について
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概要
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半硬質白カビチーズの熱成中における揮発性カルボニル化合物の生成を,ペーパークロマトグラフィーにより分析し,次の結果を得た. (1) 3週間熱成した半硬質白カビチーズにおいて,アセトアルデヒド,アセトン, butanone-2, pentanone-2, heptanone-2, nonanone-2および未知物質など7種類の揮発性カルボニル化合物の存在が認められた. (2) 生チーズ, 1週間熟成チーズでは,アセトアルデヒド,アセトン, butanone-2および痕跡のpenta-mone-2しか存在しなかったが,熟成が進みチーズ風味が増加する2〜3週間の熟成期間には, heptanone-2, nonanone-2が出現し,特にpentanone-2, heptanone-2が急激な増加を示した.これらのメチルケトン類が半硬質白カビチーズ風味に関与する成分の一つであることを認めた. (3) 脱脂乳にP. caseicolumを接種し生成される揮発性カルボニル化合物を分析した結果,アセトアルデヒド,アセトンおよび少量のbutanone-2, pentanone-2の存在が認められた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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