固体培養による紅麹の生産
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概要
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天幕式堆積循還通風装置を用いて,色素高生産変異株UN 202-13菌による固体麹の製造条件を検討するとともに,麹製造過程における色素ならびにプロテアーゼ,アミラーゼの生産性について検討し,つぎの結果を得た. (1) 製麹機内部の殺菌には, 1%塩化ベンザルコニウム液が有効であった. (2) 種麹の製造は,液体培養によって得た菌体が汚染が少なく良好である.培地としては, 5%グルコースを含むNo. 2の培地が好適であり,培養温度32°C,通気量0.22vvm,攪撹拌数300rpmの条件下, 120時間の培養で十分であった. (3) 固体麹の製造に用いる種麹使用量は,白米重量の0.05%(乾物菌体として)以上が必要であり,麹堆積層の厚さ15cm,品温37〜38°C,風量5〜8m3/min(自動間歇通風),水分38〜40%で8日間培養すると,汚染の少ない良質の紅麹が得られることを認めた. (4) 製麹中の酵素活性は,プロテアーゼ(pH 3.0およびpH 6.0), α-アミラーゼは5日目に最高となり,以後減少するが,糖化力は最後まで増加する.また, α-アミラーゼ活性がきわめて低いことを認めた. (5) 製麹中の色素生産は, 6〜7日目にかけて急速に増加する.また,紅麹菌の生育に伴う発生熱のもっとも多い時期は5日目であることを認めた. (6) 白米原料のほうがパンフレークより色素生産性において優れていることを認めた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
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月岡 本
新潟県醸造試験場
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小笠原 長宏
新潟大学農学部農芸化学科
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広井 忠夫
新潟県醸造試験場
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廣井 忠夫
新潟県醸造試験場
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鈴木 恒夫
新潟県醸造試験場
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高橋 剛
金升酒造株式会社
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嶋 悌司
新潟県醸造試驗場
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月岡 本
新潟県醸造試
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小笠原 長宏
新潟大学農学部
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鈴木 恒夫
新潟県醸造試驗場
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廣井 忠夫
新潟県醸造試驗場
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