Rhizopus菌による酒類製造に関する研究(第2報) : 蒸米上に繁殖するRhizopus菌の選定
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概要
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Rhizopus菌の有機酸生産能力と特徴ある香味を清酒製造に利用する目的で, IFO保存のRhizopus菌4株とマレーシアの餅麹から分離した3株の計7株について,菌糸の繁殖,胞子の着生について検討した.その結果,供試菌株中でIFO 4705が菌糸の繁殖,胞子の着生が良子であり,高い有機酸の生産性を示した. また,有機酸はフマール酸が非常に多く,その他の有機酸は少なかった.各菌株の培養液とアミノ酸液浸漬白米の蒸米を培地にした麹を官能試験した結果,いずれの試験でもIFO 4705が良好であった. そこで, IFO 4705を紫外線処理して得た変異株U-12と親株IFO 4705の生育に伴う酸生産性の変化と浸漬水にAlaを添加処理した蒸米での特性を比較検討し,変異株U-12が親株のIFO 4705より繁殖が早く,有機酸の生産性に顕著な差がなく,しかも親株と同様な芳香性と産生した有機酸の柔らかさが,香味に特徴を有する清酒製造に適すると考え,変異株U-12を選定した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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